真菌性&酵母菌性皮膚症
要約
- タンパク質を分解する真菌である小胞子菌属および白癬菌属を原因とする被毛、角質層、爪の感染症であり、主な原因菌は犬小胞子菌(M. canis)、石膏状小胞子菌(M. gypseum)、毛瘡白癬菌(T. mentagrophytes)である。
- せつ腫症ならびに真皮深層および皮下感染症の続発は通常はみられない。
- 犬小胞子菌は犬猫の皮膚糸状菌症の主な原因菌である。一部の個体、特に猫は無症候性の保菌者となる。
- 皮膚糸状菌症は、感染した被毛または感染/保菌個体の鱗屑、媒介物、汚染土壌もしくは屋内環境における胞子との接触を介して伝播する。感染性のある胞子はこのような環境下で最長18ヵ月間にわたり生存し続けることもある。
- 犬小胞子菌は動物好性皮膚糸状菌であり、主な宿主は猫および犬である。保護施設環境および多頭飼いにおいて特に問題となる。
- 石膏状小胞子菌は土中に生息する好地性皮膚糸状菌である。
- 毛瘡白癬菌は保菌宿主(一般にげっ歯類)またはその環境との接触を介して伝播する。
- 皮膚糸状菌症の発生率は地理的多様性があるとみられる。
- 免疫不全、老齢、若齢の個体は感染リスクが高い。
- ペルシャ猫およびヨークシャーテリアでは感染率が高く、他品種の一部の個体でも抵抗性または再発性の感染の素因があると考えられることから、遺伝が関係している可能性がある。
- 黄色ブドウ球菌属の細菌が同時に異常増殖する場合が多い。
- 上記の3菌種ではいずれも人獣共通感染症をもたらす可能性があるが、なかでも犬小胞子菌によるものがもっとも多い。
どのような疾患か?
- 脱毛
- 枝毛
- 乾燥性または脂性皮膚を伴う鱗屑
- 紅斑
- 丘疹
- 膿疱
- 痂皮
- 丘疹性痂皮性皮膚炎(「粟粒性皮膚炎」)
- 猫ざ瘡
- 結節
- 瘻管
- 爪異栄養症(爪の異常な形状または構造)
- 爪周囲炎(爪郭の炎症)
- 症状は巣状または全身性であり、体幹、四肢、尾、耳介を含む顔面に発生する可能性がある。
- かゆみは通常は軽度であるが、かゆみのないものから重度のものまでさまざまである。
- 病変は、ヒトの「白癬」に一般的にみられる輪状ではないこともある。
- 皮膚糸状菌症は犬で過剰診断され、犬では「白癬のように見える場合、恐らく黄色ブドウ球菌性膿皮症である」と記載されることが多い。
ほかに似ている疾患はあるか?
- ブドウ球菌性膿皮症
- ニキビダニ症
- ツメダニ症
- 疥癬(耳介の縁および遠位足病変)
- 猫過敏症症候群(ノミ過敏症、皮膚食物有害反応、アトピー性皮膚炎)
- 落葉状天疱瘡
- 血管炎(遠位四肢の疾患)
- 上皮向性皮膚リンパ腫
- 結節:感染性、腫瘍性、無菌性炎症性症候群、犬肢端舐性皮膚炎、異物反応、薬物/ワクチン反応の鑑別診断
- 爪異栄養症:細菌感染、対称性ループス状爪異栄養症、血管炎、落葉状天疱瘡の鑑別診断
どのように診断するか?
- 真菌培養は、もっとも感度が高く、特異的な診断技術であり、関与している皮膚糸状菌種の判定に必要とされる。
- 獲得様式をさらに理解し、管理戦略に着手するため、種の同定が推奨される。
ウッド灯
- この技術は犬小胞子菌の同定には感度が低く非特異的であり、陽性となるのは症例の約50%である。陽性の場合は、培養部位の選択に有用である。ただ、結果が陰性でも皮膚糸状菌感染を除外することはできない。
- ウッド灯(波長340~450 nm)を用いて患畜を検査する。
- 暗室で、ウッド灯を患畜の皮膚から十数センチのところから照射する。
- 被毛が黄緑色蛍光示す場合は陽性である。
- 外用製剤および鱗屑が蛍光を発することがあるため、偽陽性となることも多い。
- 被毛を引き抜き、ミネラルオイルを用いて低倍率(10倍対物レンズ)で検査する。
- 「ケラチン除去剤」として、KOHまたはchlorphenolacをミネラルオイルの代わりに用いると、画像がより鮮明になる。
- 菌糸、分生子、分節胞子の存在が皮膚糸状菌症の特徴である。
- 感染した毛幹は腫脹しているか、皮質が不揃いになってほつれることがある。
- トリコグラム法では皮膚糸状菌の種は同定できない。
- また、培養法ほど感度は高くない。
- サンプリング前にアルコールを被毛および皮膚に吹き付け、腐生菌の増殖を抑制する。
- 活動性病変の末梢のいくつかの部位から、鉗子を用いて被毛を引き抜く。
- この被毛を、皮膚糸状菌検査培地に毛球が培地に接触するよう、そっと置く。
- 長毛の場合は、培地に加えやすいよう、被毛を引き抜く前または後に遠位端を切って短くしてもよい。
- 鱗屑および痂皮も、清潔なメス刃またはノミ取り櫛により採取し、培地に加える。
- 爪真菌症が疑わしい症例では、爪の削り屑を培地上に加えてもよい。
- この技術は、患畜の保菌状態をスクリーニングしたり、広い領域を評価したりするために用いられる。
- 滅菌した歯ブラシを用いて、スクリーニングする患畜の全身をブラッシングするか、罹患領域に限定してブラッシングしてもよい。
- ブラシの毛を培地に埋め込むか、鱗屑/被毛を引き出して培地上に加える。
- 培地を室温またはインキュベータ(30℃、湿度30%)内で培養する。
- この培地を、病院または検査室で最長3週間にわたり毎日評価する。
- 白色/黄褐色コロニー増殖後24時間以内の培地の色変化は、ほぼ皮膚糸状菌の増殖を示すものである。
- コロニー増殖後数日で大分生子が産生されるため、これを用いて皮膚糸状菌の種を同定する。
- 大分生子を評価するには、まず透明なアセテートテープをコロニーの表面に接触させる。そのテープを、スライドに乗せた暗色の染料上に設置し、低倍率(10倍対物レンズ)の顕微鏡で検査する。
- 結節性病変があれば、診断検査室が真菌組織培養を実施してもよい。これは、引き抜いた被毛の培養では陰性になる可能性があるためである。
- 化膿性肉芽腫性滲出液には分節胞子が認められることがあるため、結節および瘻管には細胞診が推奨される。
- 高い感受性と特異性を備えた犬小胞子菌のPCR検査が開発されている。ただし現時点では市販されていない。
- 病理組織検査で皮膚糸状菌が同定できることもあるが、種は同定できないため、このほかに真菌培養が推奨される。
- 特殊な染色液(PAS、GMS)を用いて、胞子および菌糸の可視化を向上させることができる。
- 化膿性肉芽腫性皮膚炎を伴う毛包炎およびせつ腫症がみられることもあるが、特殊な染色液の助けを借りて検査しても、切片中に皮膚糸状菌がみられないことがある。
- 病理組織学的所見は、特に毛瘡白癬菌感染を伴う棘融解の存在など、落葉状天疱瘡および紅斑性天疱瘡に似ていることがある。
- 結節性病変には病理組織検査が必要である。化膿性肉芽腫性みられることが多いが、さらによくみられる徴候でもそうであるように、真菌を示すものが存在しないことがある。深部細菌培養および真菌培養が推奨される。
どのように管理するか?
- 治療には多方面からのアプローチ法がある:外用療法および全身療法またはそのいずれか、環境管理、ならびに犬小胞子菌の症例では、家庭内の犬猫保菌者の評価。
- 反復培養による再検査を治療開始後1~3週間、その後は1~3週間おきに行う。治療は、培養結果が2~3回陰性となるまで継続する必要がある。
- 治療期間はさまざまであり、14日間~6ヵ月間にわたることもある。
- それ以外の点では健康な患畜では、3ヵ月以内に自然に回復する場合もある。
- 回復の促進および環境からの感染を低減するために、皮膚糸状菌症の全症例に外用抗真菌療法が推奨される。
- 被毛を優しく刈り取ると、外用薬の塗布が容易になり、感染毛幹を除去することができる。ただし、刈り取った被毛は環境汚染とならないない方法で廃棄しなければならない。
- 2~4%石灰硫黄合剤による浸漬は、皮膚糸状菌症に対する有効かつ安全な、唯一の治療法であるため、週に1~2回行う。
- ミコナゾール2%またはエニルコナゾール0.2%(米国では市販されていない)を含有するリンス液は有効であり、浸透と分散に優れるため、噴霧および清拭よりも好んで用いられている。週に1~2回の頻度で行うとよい。
- これらの製剤は限局性の徴候にもっとも適しており、12~24時間おきに塗布する。
- 有効成分は以下の通りである:クロトリマゾール1%、ミコナゾール1~2%、テルビナィン1%、チアベンダゾール4%、アンフォテリシンB 3%、エニルコナゾール0.2%(米国では市販されていない)、ナイスタチン
- シャンプー療法は残存活性がほとんどないが、他の外用療法に比べて効果も低い。
- 抗真菌有効成分は、ケトコナゾール1~2%およびミコナゾール2%である。製剤はクロルヘキシジンを含有する場合もある。
- 全身性または多発性の症状を呈している患畜、多頭飼い、長毛種、結節、爪真菌症および外用療法が奏効しなかった限局性の症状には、外用療法に併用して抗真菌薬の全身投与が推奨される。
- 全身療法は経験的に選択される。皮膚糸状菌の培養および感受性試験は検査室で日常的に実施されておらず、信頼性の高い、再現可能な感受性のブレークポイントはまだ確立されておらず、臨床的有効性との関連性も示されていない。
薬物療法 | 用量 | 注意点 |
---|---|---|
ケトコナゾール |
5~10 mg/kgを24時間おきに経口投与(PO) |
食物とともに投与。ただし、猫では他のアゾール系薬剤と比べて副作用が増加し、有効性が低下するため推奨されない。 |
イトラコナゾール |
5~10 mg/kgを24時間おきにPOまたは1週間に連続2日間PO |
食物とともに投与。ただし、犬では用量10 mg/kg以上で血管炎および皮膚潰瘍をもたらすことがある。 |
フルコナゾール |
10 mg/kgを24時間おきにPO |
|
テルビナフィン |
30 mg/kgを24時間おきにPOまたは1週間に連続2日間PO |
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グリセオフルビン |
小型犬:25 mg/kgを12時間おきに投与 超小型犬:5~10 mg/kgを24時間おきに経口投与(PO) |
猫では骨髄抑制が発生することがあるため、FIVまたはFeLV陽性の場合は使用しない。脂肪の多い食餌とともに投与する。 |
- 上記の抗真菌薬により、肝毒性が誘発されることがあるため、肝障害の患畜では使用を控えるか、慎重に投与する。肝酵素(ALP、ALT)を2~4週間おきに評価する。
- アゾール系薬剤との薬物相互作用の可能性が高いため、併用薬を評価する必要がある。
- 前述の抗菌薬全身投与により嘔吐および下痢が発生することがある。
- 皮膚糸状菌症の治療法としてルフェヌロンが提案されてきたが、対照比較試験において有効であることは示されていない。
環境管理
- 犬小胞子菌の胞子は、最長18ヵ月間生存する可能性がある。環境管理により患畜、ヒト、その他のペットの再感染を減少させることができると考えられる.
- 管理不足により治療の失敗や再発の可能性がある。
- 以下の対策を検討する:
- 培養試験で陽性を示した個体は、陰性の個体から隔離する。その際、室内装飾ができるだけ少なくて散らからず、簡単に清掃できる室内で隔離するのが望ましい。
- 10倍希釈した家庭用漂白剤またはエニルコナゾール(米国では市販されていない)により無孔面を週2回処理する。
- 陽性を示す個体が日常的に居住していた領域に掃除機をかけ、床や壁は静電性のマイクロファイバー布で掃除する
- 室内装飾品はリゾールスプレーで処理してもよい。
- 消毒が難しい床敷きや絨毯は取り外すか、廃棄する。
- ダクトやベントの清掃およびボイラーのフィルターの交換
- 蒸気洗浄は、到達温度および持続できる温度が胞子を殺すほど高くはないため、蒸気洗浄だけでは効果がないことに注意する。
- 環境(家庭または猫の飼育場所)関連の培養試験を実施すれば、管理法が有効かどうかを判断するのに役立つ可能性がある。静電性の布またはガーゼで表面を拭き取り、それを培地表面に3回接触させて接種する。
- 毛瘡白癬菌を有する患畜については、多数のげっ歯類が生息している場所への曝露の低減またはげっ歯類の駆除が推奨される。げっ歯類をペットとして飼っている場合は、マッケンジーの歯ブラシ法によりスクリーニングを行ってもよい。
- 特に犬小胞子菌が確認された場合、すべての飼い犬および飼い猫の保菌状態を検査する必要がある(マッケンジーの歯ブラシ法)。
- 培養試験で陽性であった個体は陰性の個体から隔離する。蔓延を防ぐため、まず未感染個体の保護と世話を優先する。
- 曝露した個体および培養試験陽性個体は、培養試験で2回陰性となるまで、石灰硫黄合剤2~4%または抗真菌薬の全身投与により治療する。
- 前述の環境コントロールを実施する。
- 猫の飼育場所および保護施設に関するこれ以外の情報および推奨事項は、参考文献に記載されている。
- 毛瘡白癬菌が関与している場合や、げっ歯類またはウサギがペットとして飼われている場合は、マッケンジーの歯ブラシ法を実施し、これらのペットの保菌状態についてスクリーニングを行う。
- ペットを触った後は手を洗うよう、飼い主に指導する。
- 皮膚糸状菌陽性の個体は他の個体から隔離し、検査中は手袋をはめる。別の患畜を検査する前に、白衣を交換する。
- 10倍希釈した漂白剤またはエニルコナゾールで検査室を消毒する。
コメント
- 治療失敗の原因には、治療期間が十分ではない、環境管理の失敗、猫のFIVまたはFeLV感染などの免疫不全状態、犬の副腎皮質機能亢進症などが挙げられる。
- 予後は良好であるが、猫飼育施設、保護施設、感染個体が多数存在する家庭など、高度に汚染された環境では、予後は不良となる。こうした状況に対処するためのこれ以外の秘訣については、参考文献を参照する。
- 陽性反応を示す個体と接触する飼い主または病院スタッフが皮膚病変を発現した場合、診断および治療について医師に相談するよう、指導する。
- Miller, William H., Griffin, Craig E., Campbell, Karen L. Muller & Kirk's Small Animal Dermatology. St. Louis: Elsevier, 2013 243-249.
abscess
A discrete swelling containing purulent material, typically in the subcutis
alopecia
Absence of hair from areas where it is normally present; may be due to folliculitis, abnormal follicle cycling, or self-trauma
alopecia (“moth-eaten”)
well-circumscribed, circular, patchy to coalescing alopecia, often associated with folliculitis
angioedema
Regional subcutaneous edema
annular
Ring-like arrangement of lesions
atrophy
Thinning of the skin or other tissues
bulla
Fluid-filled elevation of epidermis, >1cm
hemorrhagic bullae
Blood-filled elevation of epidermis, >1cm
comedo
dilated hair follicle filled with keratin, sebum
crust
Dried exudate and keratinous debris on skin surface
cyst
Nodule that is epithelial-lined and contains fluid or solid material.
depigmentation
Extensive loss of pigment
ecchymoses
Patches due to hemorrhage >1cm
epidermal collarettes
Circular scale or crust with erythema, associated with folliculitis or ruptured pustules or vesicles
erosion
Defect in epidermis that does not penetrate basement membrane. Histopathology may be needed to differentiate from ulcer.
erythema
Red appearance of skin due to inflammation, capillary congestion
eschar
Thick crust often related to necrosis, trauma, or thermal/chemical burn
excoriation
Erosions and/or ulcerations due to self-trauma
fissure
Excessive stratum corneum, confirmed via histopathology. This term is often used to describe the nasal planum and footpads.
fistula
Ulcer on skin surface that originates from and is contiguous with tracts extending into deeper, typically subcutaneous tissues
follicular casts
Accumulation of scale adherent to hair shaft
hyperkeratosis
Excessive stratum corneum, confirmed via histopathology. This term is often used to describe the nasal planum and footpads.
hyperpigmentation
Increased melanin in skin, often secondary to inflammation
hypopigmentation
Partial pigment loss
hypotrichosis
Lack of hair due to genetic factors or defects in embryogenesis.
leukoderma
Lack of cutaneous pigment
leukotrichia
Loss of hair pigment
lichenification
Thickening of the epidermis, often due to chronic inflammation resulting in exaggerated texture
macule
Flat lesion associated with color change <1cm
melanosis
Increased melanin in skin, may be secondary to inflammation.
miliary
Multifocal, papular, crusting dermatitis; a descriptive term, not a diagnosis
morbiliform
A erythematous, macular, papular rash; the erythematous macules are typically 2-10 mm in diameter with coalescence to form larger lesions in some areas
nodule
A solid elevation >1cm
onychodystrophy
Abnormal nail morphology due to nail bed infection, inflammation, or trauma; may include: Onychogryphosis, Onychomadesis, Onychorrhexis, Onychoschizia
onychogryphosis
Abnormal claw curvature; secondary to nail bed inflammation or trauma
onychomadesis
Claw sloughing due to nail bed inflammation or trauma
onychorrhexis
Claw fragmentation due to nail bed inflammation or trauma
onychoschizia
Claw splitting due to nail bed inflammation or trauma
papule
Solid elevation in skin ≤1cm
papules
Solid elevation in skin ≤1cm
paronychia
Inflammation of the nail fold
patch
Flat lesion associated with color change >1cm
petechiae
Small erythematous or violaceous lesions due to dermal bleeding
phlebectasia
Venous dilation; most commonly associated with hypercortisolism
plaques
Flat-topped elevation >1cm formed of coalescing papules or dermal infiltration
pustule
Raised epidermal infiltration of pus
reticulated
Net-like arrangement of lesions
scale
Accumulation of loose fragments of stratum corneum
scar
Fibrous tissue replacing damaged cutaneous and/or subcutaneous tissues
serpiginous
Undulating, serpentine (snake-like) arrangement of lesions
telangiectasia
Permanent enlargement of vessels resulting in a red or violet lesion (rare)
ulcer
A defect in epidermis that penetrates the basement membrane. Histopathology may be needed to differentiate from an erosion.
urticaria
Wheals (steep-walled, circumscribed elevation in the skin due to edema ) due to hypersensitivity reaction
vesicle
Fluid-filled elevation of epidermis, <1cm
wheal
Steep-walled, circumscribed elevation in the skin due to edema